1955

連接車の普及

西鉄北九州線1000形/東急デハ200形

記事番号RD10

戦後の輸送量増加に対処するため、西鉄は北九州線・福岡市内線に連接車を製作した。北九州線の1000形は軸梁式OK台車を採用したほか、増備車では輸送力増強のため出入口のない中間車体を増結した3車体連接車もお目見えし、同線区の名物となった。
連接車では1955年に誕生した東急玉川線用のデハ200形も特筆すべき存在である。東横線5000形と同様な卵殻形状の軽量車体に、当時としては画期的な超低床構造、1軸の連接台車などが特長で、都会的なスマートさがあった。

[西日本鉄道1000形]
・電気方式:DC600V
・車体:2車体連接車
・制御装置:間接式抵抗制御
・主電動機:直流直巻電動機 45kW×4
・ブレーキ装置:発電ブレーキ併用自動非常付直通空気ブレーキ
・台車:ボルスタ台車(OK台車) 車体支持装置:金属ばね
・車両メーカ:川崎車輌

[東急電鉄デハ200形]
・電気方式:DC600V
・車体:2車体連接車
・制御装置:間接式抵抗制御
・主電動機:直流直巻電動機 38kW×4
・ブレーキ装置:発電ブレーキ併用自動非常付直通空気ブレーキ
・台車:ボルスタ台車 車体支持装置:金属ばね(中間台車は1軸台車)
・車両メーカ:東急車輛
(出所:「日本の電車物語」 電気車の科学1954.2,1955.8〜10号)

時代背景

1960年代以降はモータリゼーションの伸展、地下鉄網への転換などにより、横浜・名古屋・京都・大阪などの都市で廃止されてしまった。

  • 西鉄1000形
    写真提供:鉄車工

  • 東急デハ200形
    写真提供:鉄車工