1890

日本で最初の電車運転

上野公園で開催された第3回内国勧業博覧会で走った路面電車

記事番号RD01

電車>1895年 を参照

1890年に東京・上野公園で開催された第3回内国勧業博覧会にアメリカのJ.Gブリル社から購入したスプレーグ式電車2両が出品され、会場内の170間(約300m)を運転。営業用電車ではないが、乗車には2銭の運賃が必要(ちなみに博覧会入場料は3銭)で、安くはなかったものの物珍しさもあってなかなか好評だったようである。

・電気方式:DC500V、架空単線式
・車体:木製
・制御装置:直接式
・主電動機:GE製500V 15HPx1
・ブレーキ装置:手ブレーキ
・台車:J.Gブリル社製2軸台車
・車両メーカ:ブリル社
(出所:「日本の電車物語」)

直接式は初期の路面電車に用いられた方式で、抵抗器の接触器を運転台に置いて運転士が直接入り切りする方式。その後、抵抗器を開閉する制御回路を設けた間接式が一般に用いられるようになった。
(出所:「電気鉄道ハンドブック」)

時代背景

電気鉄道が一般に知られていなかった時代だったため、その利便性を実例として示すことを目的として、アメリカ・リッチモンドで実用化された路面電車のシステムを日本に輸入して走らせた。

  • 上野公園での博覧会に出展したブリル製電車
    「写真で見る電車の70年 日本の電車」(鉄道図書刊行会許諾)