1995

東京臨海新交通7000系、7200系、7300系(愛称:ゆりかもめ)

東京臨海新交通株式会社(第3セクター)

記事番号NT15

●新橋と東京臨海副都心を結ぶ交通機関として、1995年(平成7年)11月1日に新橋 - 有明間 11.9 km が開業した。この路線は、1996年に開催される予定であった世界都市博覧会のアクセス線として注目を浴びたものの都市博は中止となったが、開業後の乗客数は順調に増加して1日10万人以上を数えるようになり、最近の新線、特に案内軌条式鉄道としては数少ない黒字経営の路線となった。この車両ベースシステムは、標準型新交通システムである。無人運転。

・電気方式:AC600V、側方案内方式、三線剛体架線方式
・編成:6両固定編成(Mc1-M2-M3-M4-M5-Mc6)、両先頭車に運転台有。
・車体:ステンレス鋼
・制御装置:サイリスタ位相制御(回生ブレーキ、応荷重付)(1台/両)
・主電動機:自己通風形直流分巻電動機(定格:110kW、350V、電機子 350A、
      界磁33A、6台/編成 )
・ブレーキ装置:回生ブレーキ併用電気指令式電磁直通ブレーキ
  (常用:7段、非常:1段、空油変換で油圧出力ディスクブレーキ、
   保安ブレーキ・駐車ブレーキ付)
・台車:前後軸4輪ステアリング方式、空気ばね支持、前後進切換機構有、案内車輪2輪
    タイヤは、中子式補助輪付窒素ガス入りゴムタイヤ
・ATS/ATC:ATC制御装置(高周波連続誘導式)、ATO車上装置
・車両メーカ:日本車輌製造(株)の他、三菱重工業(株)、東急車両製造(株)(現:
       (株)総合車両製作所)、(株)新潟鉄工所(現;新潟トランシス(株)

●有明〜豊洲延伸により、7000系の増備車として1999年から7200系が導入された。

7000系から変更された主な仕様を以下に示します。
・制御装置:CI装置(IGBT、コンバータ・インバータ)
・主電動機:三相かご形誘導電動機(定格:110kWx6)
・台車:案内車輪4輪、車軸ボギー方式
・車両メーカ:(株)新潟鉄工所、新潟トランシス(株)
      (出所:車両技術(鉄車工)、驀進100年(日本車輌製造(株))

●7000系の代替車両として2014〜2016年に7300系が導入された。
この車両は、今後のゆりかもめの標準車両とすべく、”地球環境にやさしい車両(リサイクル性の向上、省エネ、環境負荷低減)”、全ての利用者にとって快適(バリアフリー設備、ユニバーサルデザインの積極的採用、冷房効率の改善など”をコンセプトとして製作して製作した車である。

7000系から変更になった主な仕様を以下に示します。
・車体:アルミニウム合金製ダブルスキン構体
・車内:全席ロングシート、液晶型案内表示装置、荷棚の設置、室内照明のLED化、
    ダクト式空調装置
・車両統合管理装置(TIMS)を搭載:各装置の制御、監視を並列制御信号の直列伝送
                (シリアル伝送)(制御電線が半減)
・ブレーキ装置:TIMSとの協調した小形のIERV装置、
        オイルフリー・スクロール式電動空気圧縮機を搭載
・台車:新開発の新ボギー台車を採用。(案内輪に緩衝機構追加により、乗り心地向上
    及び旋回軸受の負担重量軽減)、前後進切替装置無し
・ドア:両開き2枚扉
・車両メーカ:三菱重工業(株)
            (出所:車両技術(鉄車工)、Wikipedia)

  • 東京臨海新交通7000系(愛称:ゆりかもめ)
    写真提供:車両技術(鉄車工)

  • 東京臨海新交通7200系(愛称:ゆりかもめ)
    写真提供:日車の車輌史 写真集―昭和30年から100周年まで

  • 東京臨海新交通7300系(愛称:ゆりかもめ)
    写真提供:車両技術(鉄車工)