1989

金沢シーサイドライン1000型、2000型

標準型新交通システム第1号

記事番号NT10

●金沢地先埋立地の開発に伴い発生する交通需要に対応するために、この地区にふさわしい交通施設として、神戸市や大阪市等の6路線で営業中の案内軌条・ゴムタイヤ方式の新交通システム「金沢シーサイドライン」を建設することになった。そこで1983年に制定された標準規格「標準型新交通システム」によった第1号となった。ワンマン運転。(平成6年4月〜無人運転)

・電気方式:DC750V, 側方案内方式、第三軌条方式
・編成:5両固定編成(Mc1-M2-M3-M4-Mc5)、両先頭車に運転台有。
・車体:鋼板溶接構造
・制御装置:主回路チョッパ及び界磁チョッパ制御方式、回生ブレーキ付
・主電動機:直流分巻電動機(定格:100kW, 250V, 440A、M3のみ2台でその他は1台)
・ブレーキ装置:電空併用電気指令式電磁直通ブレーキ
  (常用:7段、非常:1段、空油変換で油圧出力ディスクブレーキ、
   保安ブレーキ・駐車ブレーキ付)
・台車:平行リンク式ユニット台車(1車両に電動台車と付随台車)、空気ばね支持、
    前後進切換機構有
    タイヤは、中子式補助輪付空気入りゴムタイヤ
・ATS/ATC:高周波連続誘導式
・車両メーカ:(株)新潟鉄工所(現;新潟トランシス(株))、日本車輌製造(株)、
       東急車両製造(株)(現:(株)総合車両製作所)、三菱重工業(株)

●1000型車両の更新時期を迎えて2010年度から5ヶ年かけて新形の2000型に更新された。
この車両は、Friendly:人にやさしくお客様に親しまれる車両、Safety:安全性を重視するとともに故障の強い車両、Eco:省エネに配慮した車両をコンセプトとし、バリアフリーを図り、快適性、利便性を向上させた車両である。無人運転。

1000型から変更になった主な仕様を以下に示します。
・車体:ステンレス無塗装
・制御装置:2レベルPWM制御 IGBT VVVFインバータ方式、3ユニット/編成(1ユニット
      で2両の主電動機を制御、M3車のみ自車の主電動機を制御)
・主電動機:自己通風式かご形三相誘導電動機(定格:120kw, 550V, 162A、5台/編成
・車両メーカ:東急車両製造(株)(現:(株)総合車両製作所)
         (出所:鉄車工:車両技術、新潟鐵工所100年史)

時代背景

 横浜市の鉄道は、横浜駅を中心とする放射状ネットワークは一応形成されているが、東京に直結する路線が多く、他都市に比べて市街地の鉄道延長は短い。これらを解決するために昭和48年「横浜市総合計画」、昭和56年「よこはま21世紀プラン」を策定した。

  • 金沢シーサイドライン1000型
    写真提供:新潟鐵工所100年史

  • 金沢シーザイドライン2000型
    写真提供:車両技術(鉄車工)