1.客車の記号例と意味
記号例
ナ ハ 10
(1)(2)(3)
意味
(1):最初に客車の質量(積載質量)を表す記号が付く。
「ナ」は、30t前後(27.5t以上32.5t未満)
(2):次に用途又は等級の記号が付く。
「ハ」は、3等車(現在の普通車)
(3):形式番号
「10」は、軽量客車
2.解説
時代によって呼称が変わっているので、旧日本国有鉄道の規定(1953年制定)の例を解説する。
解説(1):客車の質量(積載質量)を表す記号として、次のような記号が頭に付く。
『コ』 22.5t未満
『ホ』 22.5t以上 27.5t未満
『ナ』 27.5t以上 32.5t未満
『オ』 32.5t以上 37.5t未満
『ス』 37.5t以上 42.5t未満
『マ』 42.5t以上 47.5t未満
『カ』 47.5t以上
解説(2):用途又は等級の記号が次に付く。以下に典型的なものを列記する。
『イ』1等車、『ロ』、2等車(今のグリーン車)、『ハ』3等車(今の普通車)
『イネ』1等寝台車『ロネ』2等寝台車『ハネ』3等寝台車
・・・「ネ」は寝台車で、その前に等級を示す「イ」「ロ」「ハ」が付く。
『シ』食堂車、『テ』展望車、『ユ』郵便車、『ニ』荷物車、等々
・用途が2種類ある客車には、それぞれの用途に応じた記号を重ねて記す。
『ユニ』は、郵便車でかつ荷物車であることを示す。
・最後に「フ」が付く客車は、車掌室を持つ 緩急車(ブレーキ付の意)
『オロネフ』は、35t前後の2等寝台車「オロネ」の車掌室付の車両であることを示す。
解説(3):時代によって、形式番号の意味は変遷している。戦後は下記のとおり。
10,20番代 軽量客車(但し昭和32年以降)
30〜50番代 一般
60番代 木造車の鋼体化改造車
90番代 特殊用途の客車
・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上 ・・・・・・・・・・・・・・・