1919

釣り合い梁式台車 TR11

TR11(2軸)、TR71(3軸)

記事番号PD60

TR11:
 1919年以降製造の大容量客車用台車グループである。22000系やオハ31系などに大量に採用された。明治45年式2軸台車からの変更点は改軌論争の影響による車軸の10t長軸への変更とこれに伴う横梁や端梁の幅員拡大、軸距の2,450mmへの変更、国産化が難しく輸入品が長らく使用されていた車輪のタイヤ部への国産品の採用による完全国産化の実現などで、幅員拡大の影響で車体側トラス棒との干渉が生じるようになったため、端梁形状がこれを回避する目的で複雑になり、また側梁上部の両端付近が斜めに削られるなどの加工も実施された。
 国鉄だけではなく省制式客車に準じた構造の客車を導入した一部私鉄でも本形式の同等品が採用されており、特に東武鉄道が導入したものは装着車の電車化改造の後、車体更新を経て上毛電気鉄道へ譲渡され、20世紀の終わりまで現役で使用された。
TR71:
 TR11に対応する3軸台車。28400系やオハ31系に属する20m級優等客車用として製造された。各軸間の軸距は当初1,753mmであったがメートル法施行後は1,740mmに変更された。車軸は10t長軸。(Wikipedia)

記事

仕様
軸箱支持装置: 軸箱守+釣り合い梁+コイルばね
枕ばね装置: 内吊り短リンク+3連重ね板ばね
牽引装置: 揺れ枕守+心皿
軸距: 2,450 mm
車輪径: 860 mm
(補注)軸距はメートル法施行で8フィート=2,438mmが2,440mmを経て2,450mmに修正されたもの。以降、軽量化のため軸距を限界まで短縮した10系軽量客車用のTR50形が1955年に登場するまで、約半世紀にわたり国鉄客車の2軸台車の標準寸法として継承された。