1977

通勤通学用に使用する目的で設計・製造された一般形客車 50系客車

オハ50形、オハフ50形、北海道用:オハ51形、オハフ51形

記事番号P330

 10系座席車以来途絶えていた普通座席客車は、10年の空白ののち12系が登場したが、地方ローカルに残る客車列車は旧態然としたままであった。この旧形客車の取替えのために登場したのが一般形客車50系である。
 自動化された側引戸やセミクロスシートの客車など電車や気動車並みの設備で地方ローカル線区の朝夕ラッシュ時の輸送改善に貢献

生産技術

 構造としては、同時期に設計・製造されたキハ40系気動車・115系1000番台などとは、車体構造やアコモデーションなどで共通点が多いのが特徴である。
 普通鋼製車体である。本州以南向けの50形については工程の簡略化のため窓構造が従来の一段上昇窓から12系と同様のユニット窓とされた。
 車体断面は12系などとは異なり全幅が約100mm小さく2800mm、裾絞りのないストレートな腰板を備える簡素な構造とされた。
 側構が薄くなったことで室内幅は従来の旧形客車より若干拡大し、窓側席肘掛の省略や座席寸法の見直しで必要な通路幅を確保している。
 客用扉は、在来形客車で問題視されていた手動開戸扉に代わり、幅を1,000mmに拡大した片引戸で半自動操作も可能な自動扉とし、車軸からの速度検出による戸閉保安装置が追加された。ドアエンジンを動作させる圧縮空気は、空気圧を供給する空気圧縮機やその動力源も搭載されていないため、機関車から元空気溜管(Main Reservoir Pipe:MR管)を介して供給する必要がある。
 車内のサービス用電源は従来通り各車に搭載された車軸発電機と蓄電池とされた。(Wikipedia)
 台車はTR230形を装着する。12系・14系客車などで採用された空気バネ台車のTR217系から、枕ばねのコイルばね化や密封コロ軸受を実施したものである。

記事

 北斗星用電源車の追加のためにマニ50形を改造してマニ24形が作られた。この改造に伴い、台車は最高速度の向上(95km/h→110km/h)のためにTR230Dに改造した。

  • オハフ50形
    出所:車両技術139号

  • オハフ51形
    出所:車両技術146号