1972

特急列車用客車 14系

オハ14形、スハフ14形、オハフ15形

記事番号P310

 昼間走行する特急列車や座席夜行列車に使用する座席車が、同じ14系で寝台車とともに製造された。
 これは、1972年3月の新幹線岡山開業以降、新幹線を中心に全国特急列車網を整備する一環で、急行用の12系をベースにしながら、183系電車と同等な客室設備を有した特急形の座席客車である。
 臨時特急「しおじ」「つばさ」など主として波動輸送用に用いられた。
 1972年から1974年にかけて、新潟鐵工所、富士重工業、日本車輌製造により合計325両が製造された。

生産技術

 簡易リクライニングシート・AU13A形分散式冷房装置(製造途中から難燃化構造としたAU13AN形に変更)を搭載し台車はTR217D形を採用した。
 車体の屋根高さは12系客車よりも10cm低い3,520mmである。
 窓かまちの高さなど183系電車の普通車とほぼ同一であるが、窓部の側構は同じ特急形でも電車・気動車と異なり内傾しておらず垂直である。
 なお、昭和48年度第3次民有車両予算からは、1972年起きた北陸トンネル火災事故の教訓から各種の難燃性の向上が図られている。

  • スハフ14形
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • スハフ14形
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • スハフ14形 簡易型リクライニングシート
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • 14系客車用AU13形ユニットクーラ
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)