12系客車をベースとし、同じく分散電源方式を採用しつつ、特急寝台列車としての使用を前提とした車内設備を持たせた客車がこの14系である。
20系寝台車と比較して、寝台の幅の拡大や中段寝台の収納作業の省力化が図られたほか、列車運用上の要請から分割併合が行えるよう分散電源式を採用したことが大きな特徴である。
1971年に急行「瀬戸(下り)2号・(上り)1号」に試作車のオハネ14 1 - 7とスハネフ14 1 - 3が連結され、試験的に運行を開始した。
1972年3月ダイヤ改正で寝台特急「さくら」・「みずほ」・「あさかぜ(下り)2号・(上り)3号」で運用が開始された。
新潟鐵工所、富士重工業、日本車輌製造が1971年(昭和45年度第3次債務から)より、1978年に防火対策を強化した15形の製造63両を含め、合計251両が製造された。
生産技術
車両の特徴としては、B寝台車の内装が、それ以前の標準寝台幅52cmを踏襲した20系客車と異なり、B寝台車のベッド幅を581・583系電車で採用したのと同様の70cmと大型化し、またユニット方式で内装を製造して車内に取り付ける形を初めて採用した。
また、寝台車のベッドの収納などを省力化するため、中段寝台の自動昇降装置を初めて取り付けた。
しかし、、1972年起きた北陸トンネル火災事故を機に、火元となる電源エンジンを客室の下に分散配置する分散電源方式は、防火安全対策上問題があるとされ、製造は一旦中止され、以降の寝台増備車は、集中電源式の24系客車に移行した。
14系14形の製造が一旦中止された後、1978年(昭和53年)に、分割併合の必要な運用路線対応に、防火安全対策を強化した14系15形が製造された。具体的にはつぎのとおりである。
室内構成材(床構造など)の不燃化、妻引戸ガラスの鋼線入り化およびガラス押え面の金属化、消火器の増設、乗務員無線の取付け、床下エンジンに自動消火装置を新設、寝台客車に煙検知器および熱感知器を設置等