1958年には、寝台特急列車用客車20系客車を開発した。
1958年から1970年までに合計16形式473両が製造された。
最初に投入された列車にちなみ「あさかぜ形客車」とも呼ばれ、その設備の優秀さから登場当時は「走るホテル」とも評された。
日本で初めて、同一系列の車両による「固定編成」を組むことを前提に設計された客車であり、冷房装置や空気ばね台車の装備などで居住性を大きく改善した画期的な車両であった。通常編成端に連結される緩急車や荷物車は流線形デザインとされ、青一色に統一された外観は、以後の客車寝台特急も含めて「ブルートレイン」と呼ばれる起源となった。
生産技術
<車体>
設計は先行する10系客車を基本とし、さらなる軽量化を図るとともに側面腰板部で絞った大断面張殻構造の車体を採用した。
20系寝台車は直流架線下を長距離走るためか、客車としては初めて屋根に絶縁布が貼られた。
国鉄で初となる、全車両に空調装置・空気バネ台車を完全装備し、著しい居住性の向上を成し遂げた。側扉はまだ自動ドアではないが、電磁弁による遠隔操作でロックが可能としている。
<冷房装置>
冷凍能力12,800kcalの三菱電機製AU21形もしくは日立製作所製AU22形集中式冷房装置を各車の床下に2基搭載し、電源車から給電される電力で駆動する。
<台車>
電源車以外の車両は10系で開発・実用化されたTR50形を基本としつつ、乗り心地改善のために枕ばねをコイルばねからベローズ式空気バネで置き換えたTR55形を装着する。