1921

東京〜下関間 特別急行用 車体長20mの大形客車 スハ28400形の登場

スハ28400形(元、スハ29300形)、主は府28800形、オイテ27000形、スロ27900形、オシユ27730形

記事番号P120

 28400形客車は、1920年鉄道院から改組した鉄道省が1921年から1927年にかけて特別急行列車を筆頭とする優等列車などでの使用を目的として製造した20m級木造3軸ボギー車である。
 一般に大形木造客車として知られる鉄道省制式17m級木造客車(ナハ22000形など)を基本として、車体長を20m級に拡大し、台車を3軸に変更したものである。
 いずれも優等列車での使用を前提に設計されており、その車種構成や客室設備は以後の国鉄優等客車の基本を確立するものとして長く受け継がれた。

生産技術

 22000形の基本設計に準じ、それらと同等の車体幅2.8m、二重屋根構造の大型車体断面を備える。
 ただし、車体長などについては特急用としての先代に当たる、帝国鉄道庁成立後に製造が開始された新橋工場製3軸ボギー車群の寸法をほぼ踏襲しており、20m級となっている。
 台枠は、20m級用にUF41を用いている。
 台車は、全形式共に大正6年基本型あるいはTR71と称する、八幡製鉄所製の球山形鋼を側枠に使用する釣り合い梁式の3軸台車とされた。

 一等展望車・一等寝台車・二等寝台車・一等座席車・二等座席車・食堂車・荷物車の各車種が鉄道省大井・大宮の両直営工場で製造され、更にそれらとは別に三等特別急行第3・4列車専用三等座席車が汽車製造会社(汽車)東京支店と日本車輌製造(日車)東京支店で製造された。

記事

参考記事: 鉄道省(後の日本国有鉄道)の前身
      
明治40年(1907年) (鉄道作業局→)帝国鉄道庁
明治41年(1908年)12月5日 鉄道院
大正9年(1920年) 5月15日 鉄道省

  • スハ28400形
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • スロ27900形
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • オシ27730形

  • オイテ27000形
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • スハ28400形 室内
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)