1966

サイリスタ方式整流器を採用した北海道交流電化対応 試作交流電気機関車 ED75形501号機

ED75形501号機

記事番号E671

 ED75形500番代は、北海道交流電化用の試作機として、1966年に三菱電機・三菱重工業で1両(501号機)が製造された。
 制御方式は無接点制御化を図り、1965年製造のED93形で採用されたものとともにサイリスタ位相制御方式とされた。

生産技術

 既存のED75形(M形)の低圧タップに代え、変圧器の二次側巻線を4分割してサイリスタとダイオードブリッジを配置したもので、磁気増幅器による位相制御とタップの切換をすべてサイリスタで行う。このことからED75 S形(サイリスタ制御)と呼ばれる。
 タップ切換と異なりすべてを無接点で制御でき、機器の小型化・軽量化およびメンテナンス性に優れる。
 また、711系電車とともに、北海道電化により初めて使用される電気車両であり試験的事項も含め、耐寒・耐雪を強化している。

記事

主要仕様 
・軸配置 B-B
・1時間定格出力 1900kW(MT52×4)
・歯車比 4.44
・最高速度 100km/h
・質量   67.2t
・制御方式 逆並列サイリスタ+ダイオードブリッジによるサイリスタ位相制御(変圧器2次側4分割)、弱め界磁制御

  • ED75形500番代
    出所:「100年の国鉄」(交友社)