1891

日本で初めて客車列車に自動貫通真空ブレーキ装置を採用

自動貫通真空ブレーキ装置

記事番号LB110

日本で初めて客車列車に自動貫通真空ブレーキを採用した。
((社)日本鉄道車両機械技術協会 鉄道車両新指導書 ブレーキ編 P2)

記事

自動貫通式真空ブレーキとは、各車両にブレーキシリンダーと一体になった真空室が設けられており、ゆるめでは、真空ブレーキ管から空気を抜くことでこの真空室からも空気が抜かれて真空になっていて、運転士がブレーキハンドルを操作して真空ブレーキ管内に空気を入れると、大気圧近くに戻った真空ブレーキ管内の圧力と真空室の真空圧の間の差圧でブレーキピストンが動くという仕組みになっている。この仕組みでは、ブレーキ管が破損して管内が大気圧に戻ると自動的にブレーキが作動するフェイルセーフな構成となっている。真空室自体が破損した場合でも、編成中に複数の車両がつながっている場合は、全ての車両のブレーキシリンダ真空室が同時に破損することはまずないため、他の車両のブレーキで停車することができる。
しかし、真空度は500mmHg程度であり、これは利用圧力として0.6気圧程度で十分なブレーキ力を得るには大きなサイズのブレーキシリンダを必要とした。

  • 真空ブレーキ装置ツナギ図
    出所:(株)ナブコ  研究開発ニュース83号