本形式製造前の1965年に試作車として日立製作所で製造されたのがED93 1である。
当初は仙山線での運用も考慮されたために作並機関区に配置され、仙山線・東北本線で性能試験の後に1966年1月から仙台 - 作並間で営業列車牽引での試験が行われた。
生産技術
ED93形1号機の試作新機能:
・軸重可変機能: ED75形では軸重制限の点から入線が不可能なケースも発生しつつあった。 そのため、動台車間に無動力のTR103形空気ばね台車を設置し、空気圧力を調整することで動輪軸重を4段階に変化させる機能を開発した。
この機能は、同じく中間無動力台車を装備していたED76形でも1967年製造のED76 9以降、また奥羽本線用試作機となるED94形にも採用された。
・サイリスタ位相制御方式: ED75形(1963年)で記述した「M形」すなわち、磁気増幅器式の低圧タップに代え、変圧器の二次側巻線を4分割してサイリスタとダイオードブリッジを配置し無接点化した。
磁気増幅器による位相制御とタップの切換をすべてサイリスタで行う。機器の小型化・軽量化およびメンテナンス性に優れる。
記事
主要仕様
・軸配置 B-2-B
・1時間定格出力 1900kW(MT52×4)
・歯車比 4.44
・最高速度 100km/h
・質量 75t
・制御方式 逆並列サイリスタ+ダイオードブリッジによるサイリスタ位相制御(変圧器2次側4分割)、弱め界磁制御