EF70形は、1961年に登場した国鉄の交流用電気機関車である。
1962年に11.5‰の連続勾配を有する北陸トンネルが開通し、電化するが、日本海縦貫線である北陸本線の列車単位は極めて大きく、この時点で1000t、将来的には1100tまで列車単位が引き上げられる予定であった。これをトンネル特有の多湿環境で勾配もきついとの悪条件のなか、D形機の単機で牽引するのは難しいという結論が下され、余裕を持たせて交流機としては初めてF形で製造された。(Wikipedia)
部分負荷のEF30に対して、全負荷対応としては初めてのシリコン整流器方式採用の交流機関車である。
生産技術
主変圧器は外鉄形フォームフィット式で送油風冷式のTM5形(1次形)で付属の高圧タップ切替器は、ED71形での使用実績を反映して接触部をブラシ式からローラー式に変更した物を搭載する。
また、シリコン整流器はシリコンダイオードを5基直列接続したものを12セット並列接続し、これを4セット用いて単相ブリッジ結線としている。当時としては、最大容量化に成功したものである。
主電動機は、交流機関車として初めてMT52を搭載。2台直列に制御することで、コストを抑えている。
当時は、交流電気機関車の技術は黎明期にあり技術的にさまざまな方式が試みられていた。本形式では、交流電源を直流に変換する整流器については、取扱が簡単で装置自体も軽量かつ大容量のシリコン整流器が採用され、高圧タップ切換器を組み合わせ、主電動機を電圧制御するが、連続制御性や再粘着性能などではまだ技術的課題が残された過渡期のものであった。
駆動方式は、これまでの新系列に用いられているクイル式を止めて、古くから用いられている吊り掛け式が採用されている。
時代背景
日本の交流電気機関車は基本的にD形(動軸4軸)で製造されているが、これは仙山線での試験の際、予想を上回る粘着特性を示した整流器式のED45形の試験結果より、交流のD形と直流のF形は同等の牽引力を持つと算定されたことによる。本機は、交流電気機関車としては数少ないF形(動軸6軸)の機関車である。
記事
主要仕様
・軸配置 B-B-B
・1時間定格出力 2300kW(MT52×6)
・歯車比 4.12
・最高速度 100km/h
・質量 96t
・制御方式 高圧タップ切換方式・弱め界磁制御
・製造メーカ 日立製作所、三菱電機・三菱重工業