ED70形は、1957年(昭和32年)に登場した国鉄の交流用電気機関車である。
1957年10月1日に実施された北陸本線田村 - 敦賀間の交流電化(60Hz)にあわせて製造された日本初の量産型交流用電気機関車であるとともに、世界で初となる交流60Hz用電気機関車である。
北陸本線田村 - 敦賀間の電化工事は、当初直流電化の予定であった。しかしそれまで仙山線で行われていた試験を受け、実用化という点も含めて交流電化が妥当という判断が下され単相交流20kV・商用周波数60Hzに変更となった。そのため仙山線で試験が行われていたED45形整流器式交流電気機関車をベースに開発されたのが本機である。
生産技術
当時製造されていたDF50形ディーゼル機関車のデザインを踏襲し、前面貫通形を採用。
ベースは試作機のED45 1とほぼ同一構造で、10‰勾配で1,000t以上の引き出しが可能なように大容量、大出力化したのみである。
駆動方式は当時の新形式電気機関車に多く採用されたクイル式である。
整流器は当時はシリコン整流器がまだ開発されておらず、イグナイトロン水銀整流器を採用し、制御方式は低圧タップ・水銀整流器タップ間連続電圧制御とした。(Wikipedia)
本形式は量産機とはいえ粘着性能を 粘着性能を極限まで試すような設計が為されていたためか、空転などの課題が出た。
本形式は量産機とはいえ試作的要素も強く、整流器トラブル、三相補機の起動、クイル式駆動装置の異常振動、粘着力不足による空転などの問題が山積していた。
このため増備機となった19号機では粘着向上試験用に軸重16.0t化など対応策を施したほか、後に一部では整流器を水銀整流器からシリコン整流器に交換する工事も施工された。(Wikipedia)
記事
主要仕様
・軸配置 B-B
・連続定格出力 1500kW(MT100×4)
・歯車比 5.69
・最高速度 90km/h
・質量 64.0t
・制御方式 低圧タップ・イグナイトロン位相制御、弱め界磁制御
・水銀整流器 水冷式イグナイトロン
(後にシリコン整流器に改造)