1982

計画に終わった幻のチョッパ制御機関車 ED63形

ED63形、ED95形

記事番号E360

 国鉄ED95形電気機関車は、国鉄で計画されていた電機子チョッパ制御の直流電気機関車である。
 量産機として製造予定だったのが、ED63形電気機関車である。
 ED95形が計画されたのは1980年頃であった。当時、老朽化していたEF58形、EF15形の置き換え用に、電機子チョッパ制御の電気機関車開発が考えられていた。

生産技術

 ED75形やEF65形を上回る速度性能を持ち、1,200tの貨物列車や550tの客車列車を牽引を可能としていた。
この他、機関車全体の軽量化を目指して無塗装のオールステンレス車体とする計画であった。
 1982年には設計図が完成し、まず試作車であるED95形が製造されることになり、製造命令が下るはずだった。ところが、国鉄財政再建で新車開発を停止する方針となったことや、余剰車両による転配で需要対応の目処が立ったことで、本形式の製造決定が下されることはなかった。
 なお、国鉄の電機子チョッパ制御の電気機関車は、瀬野八補機専用のEF67形が、同年に既存機からの改造により実現している。