EF64形は、国鉄が1964年に開発した、勾配線区用向け直流電気機関車である。
一般勾配路線では、EF62形・EF63形が備える急勾配用の装置は必要としなかった。
奥羽本線の板谷峠(当時直流電化、後に交流化し当形式は撤退)越え区間や、中央本線など、20パーミルから33パーミル程度の中勾配区間に対応する発電ブレーキ搭載の新型F級電気機関車が必要とされる直流電化路線も多かった。
そこで、これに対応するために開発され1964年に登場したのが本形式である。(Wikipedia)
生産技術
EF62形をベースに、軸配置を2軸ボギー3台車「B- B - B」に戻し、併せて歯車比をEF62形の16:71=1:4.44から高速性能をやや重視した18:69=1:3.83に変更した。碓氷峠用特殊装備は未搭載である。
制御装置として、電動カム軸式抵抗制御器(CS22)、電動カム軸式転換・バーニア制御器(CS23)、電動カム軸式界磁制御器(CS24)を搭載する。
主電動機は設計当時の国鉄電気機関車で標準的に採用されていた直流直巻整流子電動機のMT52。
重連運転を想定し、重連総括制御装置と正面貫通扉を備え、また下り坂での安全対策のため発電ブレーキを搭載する。
発電ブレーキの特性上、本形式の逆転器は界磁電流の向きを変える界磁転換方式ではなく、電機子電流の向きを変えるという電機子転換方式を採用した。
客車列車に使用するため電気暖房装置(EG)を搭載した車両と、未搭載の貨物列車専用機が存在する。
記事
主要仕様
・軸配置 B-B-B
・1時間定格出力 2550kW(MT52, MT52A×6)
・歯車比 3.83
・最高速度 100km/h
・質量 96t
・制御方式 自動進段電動カム軸制御器
抵抗制御、直並列3段組合せ、弱め界磁(バーニア制御付)
製造メーカ:東京芝浦電気(基本番台のみ)
川崎電機製造・川崎車輛(基本番台のみ)→富士電機・川崎重工業
東洋電機製造・汽車製造(基本番台のみ)→東洋電機製造・川崎重工業