1962

横川〜軽井沢間補機専用 電気機関車 EF63形

EF63形

記事番号E300

 信越本線横川 - 軽井沢間の碓氷峠専用の補助機関車として特化した機関車である。このことから「峠のシェルパ」、もしくは形式称号から「ロクサン」の愛称がある。
 本務機EF62形とは、下り列車ではプッシュプル運転、上り列車では協調運転を行うことを前提としており、常に重連運用とされることから前面に貫通扉を装備。また傾斜したサッシ支持前面窓や大型の側面通風フィルターが外観上の特徴である。(Wikipedia)

生産技術

 主電動機はEF70形交流電気機関車に続きMT52形直流直巻電動機(端子電圧750V時1時間定格出力425kW)を直流電気機関車として初搭載した。また主電動機の冷却を行う送風機は、EF62形では6台搭載していたものを4台に減らし、送風機の出力電圧を375Vに増強して主電動機冷却の強力化を行っている。このため、送風時は他の直流電気機関車と違い甲高い送風音になり、本形式の特徴の一つとなっている。
 制御方式は従来の単位スイッチ方式に代わる電動カム軸方式のCS16形自動進段式抵抗制御器とCS17形バーニア制御器も搭載する。ノッチを細分化することでトルク変動を小さくし空転防止に寄与した。他にCS18形電動カム軸式転換制御器も搭載する。
 台車は2軸ボギー台車(軸配置Bo - Bo - Bo)としたが、電磁吸着ブレーキなどの特殊装置を持つことから本形式専用設計とした。
 両端の台車は、DT119A形をベースとした逆ハ リンク機構としている。
 EF60形以降の新性能直流電気機関車では最大となる108tとされた。

記事

主要仕様
・軸配置 B-B-B
・1時間定格出力   2550kW(MT52, MT52A×6)
・歯車比 4.44
・最高速度 100km/h
・質量   108t
・制御方式 自動進段電動カム軸制御器
抵抗制御、直並列3段組合せ、弱め界磁(バーニア制御付)

製造メーカ:東京芝浦電気
三菱電機・新三菱重工業
川崎電機製造・川崎車輛→富士電機・川崎重工業

  • EF63形 1号機
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)