1947

戦後初の貨物用電気機関車 EF15

EF15形、EF16形(EF15形に回生ブレーキを装備した改造車)

記事番号E240

 EF15形は、国鉄とその前身である運輸省が、1947年から1958年にかけて製造した貨物列車牽引用の直流電気機関車である。
 製作直後から直流電化の主要線区(東海道本線、山陽本線、東北本線、高崎線、上越線など)にあまねく投入され、貨物列車牽引用として使用された。
 第二次世界大戦終結直後の輸送需要に対応するために設計された貨物用機関車で、1947年から1958年までに202両が日立製作所・川崎重工業・三菱重工業(中日本重工業・新三菱重工業)・東京芝浦電気・汽車製造・日本車輌製造で製造された。
 旅客用のEF58形とは台車や電気機器など主要部品が共通化されており、共に事実上の標準型として大量に製作された。(Wikipedia)
 EF16形は、,連続勾配区間で使用するため、本形式に回生ブレーキ等の勾配対応装備を付加する改造を行った形式である。

生産技術

 貨物用電気機関車としての基本的な構成はEF10の流れを汲むものである。同時期に製造された旅客用のEF58(製造時)とは車体・電気機器等を共通設計とし、製作行程の簡易化と入手の容易な使用材料の選択による量産設計の徹底を図った。
・出力増大を狙い主電動機に初期形はMT41(1600kW)、量産型はMT42(1900kW)を採用。
・量産された貨物用電気機関車としては全車軸に初めて日本精工製の円すいころ軸受を使用している。
・EF13で省略されていた高速度遮断機・パンタグラフ用断路機の復活。駆動装置改良と騒音防止の観点から大歯車をコイルばね入りとする。
 単位スイッチ容量の増大、主抵抗器の熱容量の増大など戦時設計から脱却した改良が盛り込まれた。

記事

主要仕様
・軸配置 1C+C1
・1時間定格出力  初期形:1600kW(MT41,41A×6)、量産形:1900kW(MT42×6)、1950kW(MT42F×6)
・歯車比 4.15
・最高速度 75km/h
・質量   99.8t(初期形)、102.0t(量産形)
・制御方式 抵抗制御、3段組合せ制御、弱め界磁制御

  • EF15形
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • EF16形
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)