ED53形及びEF51形は、国鉄の前身である鉄道省が輸入した直流用旅客電気機関車である。
東海道本線東京 - 国府津間の旅客列車けん引用として、1926年に4軸の動輪をもつED53形6両と6軸の動輪をもつEF51形2両がアメリカのウェスティングハウス・エレクトリック社(Westinghouse Electric/電気部分)とボールドウィン社(Baldwin/機械部分)により製造された。
生産技術
ED53形及びEF51形は、ともに1軸の先輪をもち、箱形の車体の前後に台車と固定されたデッキがある構造で、外観、電気機器など、両形式で共通化が図られた機関車であった。
電装機器類は、主制御器に電磁空気単位スイッチ式を採用し、英国製電気機関車に装備されていなかった高速度遮断器も搭載している。主回路の構成など、後の大型国産電気機関車EF52形に影響を与えた。
時代背景
同時期に英国やドイツからも輸入されたが、これらが輸入機関車の最後となった。
・ED56形 英国製1両(1927年)メトロポリタン=ヴィッカース(電気部分)とスイスのS.L.M社(機械部分)により製造された。後にED23に改造された。
・ED57形 ドイツ製2両(1928年) シーメンスシュケルト社(電気部分)とボルジッヒ社(機械部分)により製造された。後にED24に改造された。
記事
ED53形 主要仕様
後にED19形に改造; →数値 が変更仕様
・軸配置 1B+B1
・1時間定格出力 840kW(MT19×4)→820kW
・歯車比 2.72 →4.47
・最高速度 95km/h →70km/h
・質量 68.32t →67.70t
・制御方式 抵抗制御、2段組合せ、弱め界磁制御
EF51形 主要仕様
・軸配置 1C+C1
・1時間定格出力 1230kW(MT19×4)
・歯車比 2.72
・最高速度 95km/h
・質量 89.66t
・制御方式 抵抗制御、3段組合せ、弱め界磁制御