1923

スイス製貨物用電気機関車 ED12形

ED12形(旧1020形)

記事番号E40

 ED12形電気機関車は、国鉄の前身である鉄道省が1923年(大正12年)に輸入した直流用電気機関車である。
 東海道本線電化用として、スイスのブラウン・ボベリ(Brown Boveri Co.:BBC社。電気部分)とシュリーレン(Schweizerische Wagonsfabrik Schileren:SWS社。機械部分)により2両が製造された。

生産技術

 けん引力の伝達は、台車同士を連結して、台車端梁に装着した連結器で行う設計であるため、基本的に車体に負荷が加わらない構造である。スイス製のED12形、ED41形及びED54形は、車体の外観が帯板で区切られているように見えるが、これは、車体に負荷がかからない長所を生かして、メインテナンス時などに、外板をとり外せる構造となっていたためである。
 主電動機の両側に歯車を設けて駆動していたのが特徴で、主電動機の幅が狭く、直径が大きくなるため、直径1400mmの大きな動輪を採用していた。
 輸入当時は使用線区により架線電圧が異なっていたため、直流600/1,200/1,500V用の複電圧仕様であった。
 

記事

主要仕様
・軸配置 B+B
・1時間定格出力   875kW(MT11×4)
・歯車比 3.91
・最高速度 65km/h
・質量   59.22t
・制御方式 抵抗制御・2段組合せ・弱め界磁

  • ED12形(旧1020形)
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)