1923

幹線用貨物機関車 D50形

D50形(旧称 9900形)、D60形

記事番号J540

 D50形は、国鉄(製造時は鉄道省)の貨物用テンダ式蒸気機関車の1形式である。
当初は9900形と称したが、1928年10月、D50形に形式変更された。
“デコマル”またはデゴレの愛称がある。
 第一次世界大戦に伴う国内貨物輸送需要の増大を背景として、鉄道省では1916年頃から9600形の後継機の計画があり、旅客用の18900形(後のC51形)と同様に軸配置を従台車付きのミカド形(1D1=先輪1軸、動輪4軸、従輪1軸)として9600形を上回る高性能機が計画され、鉄道省とメーカー各社により共同設計された。
 戦後、余剰化したD50形を1D2軸に軸重軽減改造し、丙線規格の機関車として登場したのがD60形。1951年から1956年にかけて、5年間で78両が改造された。(Wikipedia)

生産技術

 主台枠に厚さ90mmの圧延鋼板を切り抜いて作った棒台枠を始めて採用。
 それまでの貨物用標準型蒸気機関車であった9600形よりボイラー、シリンダなど各部分を大型化したが、設計はほぼ完全に新規で起こされており、アメリカ流のラージエンジンポリシーの影響が色濃く現れている。

<形式:9900形>
・軸配置・機関車形態:1D形テンダ機関車
・製造会社:川崎造船、汽車、日立、日車
・製造年度・両数: 1923〜1931年・380両
・空車質量:28.1t(軸重10.2t)
・動輪直径:1371mm

記事

 より強力な貨物機を投入し、輸送上の隘路となっていた箱根越えなどの勾配区間での輸送単位の増大を図ることが計画され、当初は改軌論争とのからみもあり、従軸を持たない9600形にそのまま動軸を1軸追加してデカポッド形軸配置(1E=先輪1軸、動輪5軸)に拡大した機関車が検討の俎上に載せられた。
 だが、鉄道国有化後長期にわたり議論が続けられていた改軌論争が最終的に狭軌派の勝利で決着し、狭軌に最適化した設計の18900形(後のC51形)が大きな成功を収めたこともあり、貨物用についてもデカポッド機案を放棄し、18900形と同様な軸配置の1D1とし、9600形を上回る高性能機が計画されるようになった。(Wikipedia )

  • 9900形(D50)
    出所:「100年の国鉄車両」(株式会社 交友社)