関西鉄道は、1897〜99年に6両のスイス製C1形タンク機関車2800形を導入した。このWitertur製の機関車は、工作に優れているだけでなく、1800形よりも軸重が小さいのに引張力が優れ、大きさも手ごろであったため、全車が廃車となったのは1949年のことであった。
また、全国的に輸送力の必要性が拡大してゆくなか、3400形のような機関車質量が40tクラスの1C1形タンク機関車が、北海道官設、日本鉄道、甲武鉄道、横浜鉄道、参宮鉄道、阪鶴鉄道、南海鉄道、山陽鉄道、播但鉄道、九州鉄道、西日本鉄道、豊洲鉄道など、広く国内に導入された。
生産技術
<形式:2800>
・軸配置・機関車形態:1C形タンク機関車
・製造会社:Winrwerhur(スイス)
・製造年度・両数:1897〜1899年(7両)
・機関車質量:35.8t(軸重10.3t)
・動輪直径:1219mm
<形式:3400>
・軸配置・機関車形態:1C1形タンク機関車
・製造会社:Pittsburrgh(米国)
・製造年度・両数:1896〜1899年(20両)
・機関車質量:39.0t(軸重10.6t)
・動輪直径:1321mm
時代背景
1887年5月18日私設鉄道条例の公布によって、各地の資本家が鉄道会社を設立して多数の会社が誕生し、馬車鉄道などの小規模な軌道だけでなく、幹線鉄道についても、日本鉄道、北海道炭鉱鉄道、北海道鉄道、関西鉄道、山陽鉄道、九州鉄道などの私設鉄道会社が担う状態であった。
後に、私設鉄道条例を改正して法律とした私設鉄道法が1900年(明治33年)3月16日に公布され、特別の場合以外は1067mm以外の軌間を認めないとする規定などを盛り込み、官営鉄道の車両の互換性が確保された。
記事
*2800形と同様の1C形タンク機関車の一例
2820形 Brooks(米国) 1898年(12両)
2850形 Pittsburrgh(米国) 1897年(3両)
*3400形と同様の1C1形タンク機関車の一例
3000形 Baldwin(米国) 1899〜1900年(3両)
3010形 Baldwin(米国) 1897年 1C1タンク(2両)
3020形 Brooks(米国) 1887年 1C1タンク(3両)
3050形 Baldwin(米国) 1907年 1C1タンク(2両)
3060形 Baldwin(米国) 1898年 1C1タンク(3両)
3070形 汽車会社 1911〜13年(6両)
3100形 Schehectady(米国) 1906年(24両)
3150形 神戸工場(鉄道作業局) 1904年(4両)
3170形 Hanomag(ドイツ) 1904年(6両)
3200形 Beyer Peacock(英国) 1904年(24両)
3240形 Henschel(ドイツ) 1904年(2両)
3450形 Brooks(米国) 1898年(2両)