1895

快速旅客用の1B1形テンダ機関車 5060形と1B1形タンク機関車 950形

5060形、950形、900形

記事番号J270

 山陽鉄道では、快速運転に適した今までにない大きな動輪をもった1B1形テンダ機関車5060形を導入した。
 この機関車は、同社の技師長であった南清の提案によって、当時、東海道線の急行列車に用いていた6200形と同じ1524mmの動輪直径を採用し、ヴォークレイン複式(4シリンダ式)を装備していた。
 また、その翌年には、短距離区間でも快速運転を行うため、5060形と同じ1524mmの動輪直径を採用した1B1形タンク機関車950形を導入した。
 同様のコンセプトで日本鉄道においても、1B1形タンク機関車900形が導入された。

生産技術

<形式:5060>
・軸配置・機関車形態:1B1形テンダ機関車
・製造会社:Baldwin(米国)
・製造年度・両数:1895年(1両)
・機関車質量:32.6t(軸重10.7t)
・動輪直径:1524mm
・記事:ヴァークレン複式

<形式:950>
・軸配置・機関車形態:1B1形タンク機関車
・製造会社:Baldwin(米国)
・製造年度・両数:1896年(1両)
・機関車質量:36.7t(軸重11.5t)
・動輪直径:1524mm
・記事:ビッセル台車付き

時代背景

 これらの機関車の導入から、当時の都市近郊区間での快速運転が行われたことがしのばれる。

記事

*5060形と同様の1B1形テンダ機関車
5050形 950形の1両を1900年兵庫工場にて、1B1テンダ機関車改造したもの。

*950形と同様の1B1形タンク機関車
<形式:900>
・軸配置・機関車形態:1B1形タンク機関車
・製造会社:Schenectady(米国)
・製造年度・両数:1898年(10両)
・機関車質量:40.1t(軸重12.2t)
・動輪直径:1422mm
・記事:ビッセル台車付き

  • 5060形
    出所:「100年の国鉄車両」(株式会社 交友社)

  • 950形
    出所:「100年の国鉄車両」(株式会社 交友社)

  • 900形
    出所:「100年の国鉄車両」(株式会社 交友社)