運炭列車の輸送力増強を図るため、北海道炭鉱鉄道は、軸重の制限があるなかで、けん引力の増加が可能な駆動輪を従来の3軸から1軸増やして4軸とした日本初となる1D形テンダ機関車9000形を米国から導入した。
この運行結果から、のちに、9030形、9050形と増備を行ったが、これらの機関車は導入時当初からエアーブレーキ装置が装備されていた。
また、質量の増した貨物列車の入れ替えや小運転のため、タンク機関車においても、D形軸配置を採用した4000形を導入した。
一方、九州地区の炭鉱においても、同様の事情で、D形タンク機関車4030形が導入されている。
生産技術
<形式:9000>
・軸配置・機関車形態:1D形テンダ機関車
・製造会社:Baldwin(米国)
・製造年度・両数:1893〜1898年(8両)
・機関車質量:41.0t(軸重11.3t)
・動輪直径:1067mm
<形式:4030>
・軸配置・機関車形態:1B1形タンク機関車
・製造会社:Baldwin(米国)
・製造年度・両数:1895年(3両)
・機関車質量:42.7t(軸重12.5t)
・動輪直径:1067mm
時代背景
富国強兵、殖産興業政策が進むにつれ、高まる石炭需要の増加に対応すべく、炭鉱から積み出し港までの輸送力増強が望まれていた。
軸重の制限があるなかで、けん引力を増加させるため、駆動輪を従来の3軸から1軸増やして4軸としたD形機関車が導入された。
記事
*9000形と同系統の1D形テンダ機関車
9030形 Baldwin(米国) 1903年(3両)
9050形 Alco. Pittsburgh(米国) 1907年(26両)
*4030形と同系統のD形タンク機関車
4000形 Poter(米国) 1901年(2両)