1890

勾配線区用貨物用C1形タンク機関車 2100形、2120形

2100形、2120形

記事番号J200

 このC1形タンク機関車は、東海道線が全線開通、直江津線(現在の信越線)の開業と輸送量増強の必要から、官設鉄道の勾配区間に6両の2100形が配備されたことに始まった。
 日本全国の鉄道、後には日露戦争時の大陸での輸送力の確保のために、2100形が17両、2120形が268両、2400形が75両、2500形が166両と同系統機を合わせると526両を導入し、明治期において、もっとも多くの両数を誇った機関車である。
 先に輸入をしていた1800形C形タンク機関車と比較しても、重くなった軸重と強力な引張力が評価された。

生産技術

<形式:2100>
・軸配置・機関車形態:C1形タンク機関車
・製造会社:Dubs(英国)、North British(Dubsを主体として設立した会社)
・製造年度・両数:1890〜1903年(17両)
・機関車質量:49.2t(軸重13.5t)
・動輪直径:1245mm
・記事:ラジアル式従台車

注:当時は、形式名称をB6形で管理していたが、後に鉄道院の規定に従って、2100形と2120形とに同形285両を振り分けて、形式を付与した。しかしながら、分類の基準については不明な点が多いため、上記の両数は参考である。

時代背景

 国内の勾配線区の輸送量増強のみならず、1904年日露戦争の勃発に伴い、朝鮮、満州方面への大量の人、物資を輸送するため、国内の鉄道会社から機関車を借りて送り込んでいたが、これらの借入車両の代わりとなる機関車として2120形が選ばれ、英国、アメリカ、ドイツから大量に購入することとなった。

記事

*同系統のC1形タンク機関車
2120形 神戸工場(鉄道作業局) 1899年(6両)・1902年(4両)
2120形 Sharp Stewart(英国) 1899年(18両)
2120形 Dubs(英国) 1902年(28両)
2120形 North British(英国) 1903年(30両)・1905年(171両)
2400形 Schwartz Kopff(ドイツ) 1904年(12両)
2400形 Hanomag(ドイツ) 1904年(6両)
2400形 Henshel(ドイツ) 1904年(22両)・1905年(35両)
2500形 Baldwin(米国) 1904年(16両)・1905年(150両)

  • 2120形
    出所:「100年の国鉄車両」(株式会社 交友社)

  • 2400形
    出所:「100年の国鉄車両」(株式会社 交友社)

  • 2500形
    出所:「100年の国鉄車両」(株式会社 交友社)