5100形、5130形の成功を受けた本線用小形2B形テンダ機関車5300形が、日本鉄道に導入され、好成績を残した後に、官営鉄道、「山陽鉄道」において、当時としては22両と大量の同系式を導入することなった。
生産技術
5300形は、5130形よりも動輪間の距離を短くし、火室を動輪上に設けるとともに、先台車を外枠式に変更し、これに伴い、シリンダを前方方向に持ち上げ気味に取り付けているのが特徴であった。
<形式:5300>
・軸配置・機関車形態:2B形テンダ機関車
・製造会社:Beyer Peacock(英国)
・製造年度・両数:1882年(2両)・1890年(22両)
・機関車質量:28.1t(軸重10.2t)
・動輪直径:1371mm
・記事:1882年製は日本鉄道に導入。
時代背景
明治中期の日本は、富国強兵を目指して、官営鉄道(現在の東海道線、信越線など)、日本鉄道(現在の東北線、高崎線、常磐線、奧羽線など)、山陽鉄道(現在の山陽線)、九州鉄道、北海道炭鉱鉄道など、日本全国に幹線網の整備が進んだ時代であった。それに伴い、より短時間で移動できる本線旅客用機関車も求められ、明治30年頃までは主としてイギリス製の2B形テンダ機関車が導入された。
記事
*5300形と同系統の2B形テンダ機関車
5400形 Neilson(英国) 1891年(14両)
5450形 Dubs(英国) 1890年(2両)
5480形 兵庫工場(山陽鉄道) 1902年(2両)