1881年、東海道線の京都・大津間の勾配線用として、軸重が12.4tと大きいC形タンク機関車1800形が導入され、各部の製造も精密で、外観も美しく、欠点がほとんどない機関車として、成功を収めた。
後に、官設鉄道のみでなく、日本鉄道をはじめとする民営鉄道にも、勾配区間、混合列車、入替などの幅広い用途に同系のC形タンク機関車の導入が進んだ。
生産技術
<形式:1800>
・軸配置・機関車形態:C形タンク機関車
・製造会社:Kitson(英国)
・製造年度・両数:1881年(8両)・1896年(5両)
・機関車質量:36.9t(軸重12.4t)
・動輪直径:1219mm
・記事:1896年製は北越鉄道に導入。
時代背景
東海道線は、東京〜神戸間の全線開業を目指し、路線を延長していたが、地形上、勾配区間を避けられない箇所もでてきた。
日本全国に鉄道網が広がるにつれ、同様に勾配区間が増え、同系機関車の導入が進んだ。
記事
*同系統のC形タンク機関車
1850形 Dubs(英国) 1885〜1888年(20両)、1894・1896年(12両)
1900形 Beyer Peacock(英国) 1896年(30両)
1940形 Nasmyth Wilson(英国) 1898年(5両)
1960形 Neilson(英国) 1894年(12両)
1500形 Winterthur(スイス)1898・1899年(13両)
1550形 Krauss(ドイツ)1904年(2両)
2060形 Krauss(ドイツ)1906年(4両)
2080形 Nasmyth Wilson(英国)1900年(1両)
また、明治中期から後期にかけては、同様の次のようなC形タンク機関車が全国に導入された。
1350形 Pittusburg(米国) 1897年 Cタンク 阪鶴鉄道
1400形 Krauss(ドイツ) 1895〜1897年 Cタンク 九州鉄道、阪鶴鉄道
1430形 Hanomag(ドイツ) 1900〜1903年 Cタンク 北海道炭鉱鉄道、博多湾鉄道
1440形 Krauss(ドイツ) 1890〜1898年 Cタンク 九州鉄道
1690形 Pittsburgh(米国) 1896年 Cタンク 太田鉄道
2000形 Maffei(米国) 1904年 Cタンク 岩越鉄道
2040形 Hanomag(ドイツ) 1900年 Cタンク 阪鶴鉄道
など