1.機関車の種類と形式
機関車には、幹線で高速に走るものから、支線でゆっくり走るもの、あるいは、旅客列車を牽くものと、貨物列車を牽くものと造りが違います。一般に、急行用機関車は、大きな径の動輪ですが、その動輪数は少ない。貨物用機関車は、小さい径の動輪で、その数が多い、というふうです。
動輪の数は、A、B、C・・・で表す。動輪が1軸(左右一対)はA、2軸はB、3軸はC、とABC順に示すこととしており、従輪(小さい前輪や後輪)は、動輪の前と後ろに数を数字で付け加えて示すこととしています。具体例を以下に示します。
国鉄式名称 軸配置 米国式名称 目的
2B 。。●● アメリカン 旅客
1C 。●●● モーガル 旅客・貨物
1C1 。●●●。 プレーリー 旅客・貨物
1C2 。●●●。。 旅客・貨物
2C1 。。●●●。 パシフィック 急行
2C2 。。●●●。。 ハドソン 急行
1D 。●●●● コンソリデーション 貨物
1D1 。●●●●。 ミカド 貨物
2.タンク機関車とテンダ機関車
蒸気機関車は、作り方によってタンクとテンダに分かれています。
(1)タンク機関車は、ボイラの両側に水タンクを付け、運転室の背中に石炭庫と水タンクの一部があります。
図は軸配置1C2のタンク機関車。
(2)テンダ機関車は、水と石炭を炭水車(テンダ)という別の車を運転室の後ろに付け、機関車本体と一組になっています。
図は、軸配置1D1のテンダ機関車。
タンク機関車は、前後に同じように走ることができるので、終点で向きを変える必要は無い。しかし、給水等をしないと長距離を走ることができません。
テンダ機関車は、長距離に適しているが、後ろ向きの走行には向いておらず、終点で転車台に乗せて向きを替える必要があります。
明治のころは、タンク機関車が多く使われていましたが、大正のころからは、運転距離が長くなりほとんどテンダ機関車が造られるようになっています。
<蒸気機関車のはじまり>
1804年にトレビシック氏(英国)が発明した機関車が、世界で初めて実用走行したことをもって、蒸気機関車の始まりとしています。
日本には1852年にロシアから、1854年にアメリカから蒸気機関車が紹介されたのが始めてです。それぞれの記事を、以下のタイトルで載せていますのでご覧ください。
1804年 トレビシック氏の蒸気機関車 世界初の実用運搬走行に成功
ただし、1850年以前として、1850年のところに掲載。
1852年 日本初上陸の蒸気機関車、ロシアから佐賀藩に模型蒸気機関車
1854年 アメリカ大統領から模型機関車を寄贈される。