DD10形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省が試作した電気式ディーゼル機関車である。
技術的にはドイツから輸入した鉄道省初のディーゼル機関車であるDC10形・DC11形の研究と使用実績を基盤にしている。(wikipedia)
・運転整備質量:71 t
・軸配置:A1A+A1A
・機関:新潟鐵工所製K8C形(直列8気筒)×1基
・1時間定格出力:600PS/900rpm
・動力伝達方式:電気式
・主電動機出力:100kW×4基
生産技術
車体は全溶接構造の箱型車体で、当時の電気機関車と同様に車両端部に設けられたデッキから妻面中央の貫通扉経由で車内へ出入りする方式であった。
発電用エンジンは、当時最新式の渦流室式の副燃焼室を備える、縦型8気筒4サイクル機関である新潟鐵工所製K8Cが搭載された。
この機関は定格出力が600PS/900rpmとDC10形やDC11形の機関と比較して同一出力ながら高回転数化している。
これは気筒数増加で1気筒あたりのシリンダ径を縮小して実現されたもので、コンセプトとしては故障が少なかったDC10形の機関に近い考え方を採る、至って手堅い設計であった。
運転整備質量が71 tと大きいため、2軸の動輪間に従輪を組み込んだ独特の3軸台車を採用することで、軸重の低減を図っている。
時代背景
1930年代、日本国内の工業生産力の向上により、ディーゼルエンジンの技術向上が進んだことから、入換あるいは小単位の旅客列車牽引に用いることが可能なディーゼル機関車を試作することになり、本形式は、川崎車輛によって、1935年(昭和10年)に1両が製造された。小山機関区に配属されたが、本格使用に入る間もなく支那事変が勃発し、油制限のために運転不能となったまま、昭和22年に廃車された。
記事
昭和9年には、同様の構造と推測される南満州鉄道向け7000形式(750 PSのA1A+A1Aの軸配置をもつ)ディーゼル機関車を芝浦製作所(現東芝)及び日立製作所で各1両ずつ製作を行った(出展:車両設計事務所 ディーゼル機関車 1968-10)。