1962

国鉄ディーゼル機関車のメーカ競作(No.10) DD91形

試作液体式ディーゼル機関車 DD91形(新三菱製)

記事番号L220

 DD91形ディーゼル機関車は、かつて日本国有鉄道(国鉄)が試用した液体式ディーゼル機関車である。
 当時、液体式ディーゼル機関車の設計製作で先進国であった西ドイツ(当時)のメーカーからライセンス供与を受けて技術を導入し、試作されたもの。同機は1965年まで国鉄に貸し出されて山陰本線の京都 - 園部間などで試験運用された。試験終了後国鉄籍に編入されずそのまま三菱重工業に返却された.
 車体は箱形で非貫通構造。車体中央に軸重軽減のために1軸付随台車がある。
 これらの構造は、のちのDD54形に引き継がれた。DD54形では、エンジンや液体変速機をはじめ、ほとんどの部品をライセンスを受けたメーカーが日本国内で製造した。(wikipedia)

生産技術

 エンジンは西ドイツ(当時)から輸入されたマイバッハ (Maybach) 社製のMD870形(DOHC 6バルブ/ヘッド V型16気筒 1,820馬力/1,500rpm)である。
 液体変速機は同じく西ドイツのメキドロ製でK184U形と称した。この液体変速機は機関の出力を1つのコンバータを介して爪クラッチ、そして常時噛合式の全4段のギヤへと伝えるもので、直結段を持たず切り替え時の衝撃吸収機構を搭載するなど、自動車の4速オートマチックトランスミッションに近い、極めて複雑な構造であった。
・重量:70t
・軸配置:B-1-B
・機関:マイバッハ製MD870×1基
・出力:1,820PS/1,500rpm
・動力伝達方式:液体式

時代背景

 戦後、日本国内の車両メーカーは国鉄および日本国外への売り込みをはかるべく、独自の機関車を設計・試作した。
 それらの試作機関車のうち、本線用として製造されたのが、本形式である。

  • DD91形
    出所:日本の内燃車両(鉄道図書刊行会)