1960

国鉄ディーゼル機関車のメーカ競作(No.8) DF93形

試作液体式ディーゼル機関車 DF93形(日立製)

記事番号L200

 DF93形は、かつて日本国有鉄道(国鉄)で試用された液体式ディーゼル機関車である。
 車体は箱形。前面形状は国鉄DD50形ディーゼル機関車に似た、前面2枚窓で上部を傾斜させたいわゆる「湘南電車」形である。塗色は上半分がクリーム、下半分が緑、スカート部が赤で、車体側面に白で「HITACHI」の文字が描かれていた。(wikipedia)

生産技術

 エンジンは、日立製作所が当時の西ドイツのMAN社のエンジンをライセンス製作したL12V18/21mA型ディーゼル機関である。
 液体変速機は日立製LAZ10R型で、車体中央部付近に置かれた。液体変速機からは前後方向に第1推進軸が伸びてそれぞれ第1・2動輪の間と第5・6動輪の間にある第1減速機につながり、各第1減速機からは前後方向に第2推進軸が伸びて、第2減速機を経て3軸台車内の各動輪を駆動する。合計12本の推進軸で各軸を駆動する。
・重量:70.0t
・軸配置:C-C
・機関:日立・MAN製L12V18/21mA×1基
・出力:1,100PS/1500rpm
・動力伝達方式:液体式
・液体変速機:日立製LAZ10R

時代背景

 戦後、日本国内の車両メーカーは国鉄および日本国外への売り込みをはかるべく、独自の機関車を設計・試作した。
 それらの試作機関車のうち、日立製作所が本線用として製造したのが本形式である。

  • DF93形
    出所:日本の内燃車両(鉄道図書刊行会)