国鉄DC10形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道の前身である鉄道省がドイツから1930年に輸入した機械式ディーゼル機関車である。
貨車入換用機関車のサンプルとして1929年(昭和4年)に輸入されたDC11形とともに、当時ディーゼル機関開発で最先端を走っていたドイツのクルップ社に1両が発注され、1930年11月に神戸港に到着し鷹取工場で徹底的な分解調査の上で組み立て整備が実施された。(Wikipedia)
・軸配置 1C1
・運転整備質量 60 t
・ 6気筒4サイクル直噴式ディーゼルエンジン 600PS/540rpm
・機械式変速機(クルップ製)
生産技術
一端にのみ運転台を設け、背の高い機関室が全長の大半を占めていた。
この無気直噴型ディーゼル機関は、最大幅1,460mm、最大高2,070mm、最大長4,650mmで、重量も実に13.05tと非常に巨大な低速 - 中速機関。
大出力機関の開発が技術的にも未発達な時代の設計であったことから、その製作と完成後の燃焼効率改善は難航した。そのため、本形式の神戸港来着は同時発注のDC11形に比して約1年5ヵ月遅れとなっている。
山陽本線上での性能試験の後、鷹取工場直近の鷹取機関区に配置され、神戸港などでの貨車入換に試用され、昭和19年7月に廃車された。
記事
複雑精緻な機関車で、1935年頃にはDC11形ともども故障が続出し休車、その後廃車。
ただし、その機関は廃車後に分解の上で徹底的な調査・分析が行われ、日本国内の内燃機関メーカー各社に貴重な技術資料として公開されたといい、その後の日本の鉄道車両用内燃機関の発達に大きな役割を果たした。(Wikipedia)