1953

液体式気動車の誕生(DMH17B)

国鉄 キハ44500用 DMH17B

記事番号G180

液体変速機搭載の試験は戦前にも行なわれていたが、昭和26年からキハ42500に載せて試験運転が再開され改良の結果、振興造機(現・神鋼造機)はTC-2型液体変速機を完成させた。これによりこの変速機搭載の総括制御可能な試作の液体式気動車キハ44500が日本車輌で製造された。

生産技術

神戸製鋼所では1936年にスウェーデンのユングストローム社からリスホルム・スミス式変速機の製造ライセンスを取得し、その後分社した振興造機で変速機が製造された。この変速機はトルクコンバータによる変速運転とエンジンから直接駆動する直結運転の2段切り換えが乾式クラッチを介して電磁遠隔操作が可能で総括制御運転に適している。
一方、新潟コンバータ(現・日立ニコトランスミッション)では米国ツインディスク社との技術提携により昭和28年にDB115形(国鉄呼称DF115形)を完成させキハ42500に搭載し試験を行ない、昭和30年から量産中のキハ45000に搭載することになった。DF115はクラッチが湿式多板と異なるが基本性能、制御、取扱方法は同じで、TC-2装備車と混血運転が可能で、両型が併用された。

  • DMH17B形ディーゼル機関
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • TC2形液体変速機
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)

  • DF115形液体変速機
    出所:「100年の国鉄車両」(交友社)