1983

国内初の第三セクター向け一般形気動車 (36−100形)

36−100形、−200形

記事番号K287

国鉄赤字ローカル線の廃止転換の第一号として久慈−宮古間と釜石−盛間の路線が、三陸鉄道として開業。三陸縦貫鉄道として、地域の夢の実現となった。
車両は、国鉄キハ37系をベースに両運転台化し、ワンマン運転を基本とすることを考慮した構造とした。
新潟鐵工所・富士重工業で16両製造された。

生産技術

車体長18m。車体幅2.8mで、キハ37に準じた構造で、軽量かつ省エネ形で両運転台、貫通路、汚物処理装置付き便所を備え、本格的なワンマン運転設備を持ったディーゼル動車である。前妻は、貫通路を強調したデザインで、ホロを収納した時、目立たない構造とした。
エンジンは、新潟鐵工所製直噴形DMF13S縦型エンジンを搭載し、また、寒冷時での始動性が良いため、夜間のアイドル運転は不要となった。
便所は、FRPユニット構造とし、乗客からは気持ちよく使用していただけます。また、陸中海岸国立公園の自然環境の保全と保線作業環境の改善するため、循環式汚物処理装置を備えた。
ワンマン運転対応として、乗降口近くはロングシートを配し、観光や長距離客対応としてクロスシートを配置した。また配置を千鳥として乗客移動空間確保も、充分配慮するとともに変化をもたせた。
シートピッチを在来車両より50mm広げ、またシート座面を低く、奥行きを広くしてゆったり腰掛られるようにした。
客室窓は、上窓固定、下窓上昇のユニット構造である。床構造は、キーストプレートの上に根太を張りアルミ板と塩化ビニル製床仕上げ材を貼り、中にグラスウールを詰めた寒冷地対策構造となっている。
新造当初は、コスト削減から運賃箱を1両1個とし、折り返し時に乗務員による移動を行っていたが、大きさ重量など作業性の問題から、後日追加し各運転台1個配置となった。(当時の車両カタログより)