ボールドウィン製路面用蒸気動車をアメリカの貿易商社American Trading Co.が東京馬車鉄道にデモ機を持ち込んで構内試運転した、という記録が東京日日新聞1888年5月の記事にある。時期尚早で、売り込みは奏功せず持ち帰ったようである。(RM LIBRARY 103 「日本の蒸気動車(上)」湯口 徹著)
その後、フランス製の「セルポレー式自動客車」が、1899年に日本に持ちこまれて、同年7月以降東京馬車鉄道での構内試運転が行われた記録がある。
これを導入しようと目論んだ事例も幾つかあったがほとんどが頓挫した。(WEB)
生産技術
アメリカ ボールドウィン製車体の仕様詳細が明らかでないが、馬車鉄道に比して「馬力」は有るが、重く大きな車体であり、また運転も習熟が必要であったようで、導入には至らなかった。
フランス セルポレー式活動車(蒸気動車)は、フランス人レオン・セルポレーの発明によるもので特殊なボイラーが特徴。1893年パリで採用、普及。チェーンによる2軸駆動。持ち込まれた車両は、窓が5つの既成車で最小のものであろうが、恐らく標準軌のままで重量9t、幅員も広いもので、構内仮設線路を試走するにとどまったものと思われる。(RM LIBRARY 103 「日本の蒸気動車(上)」湯口 徹著)
時代背景
鉄道は蒸気機関の発明によって,スタートしたが,気動車の前身もやはり蒸気を動力とした蒸気動車であった。
記事
蒸気動車は、動力発生装置が外燃機関であるため分類上は内燃動車には属さないのですが、形態的には、気動車と同類であり紹介する対象として取り上げています。