1987

トランスポンダ式ATS H-ATSが初めて実使用された

国鉄 EF66形直流電気機関車搭載 H-ATSまたは改良型ATS-P

記事番号S210

デジタル符号伝送のできるトランスポンダ式のATSがH-ATSという名前で開発され、1986年末、西明石・大阪・京都・草津の4駅に地上設備が設置された。寝台特急牽引用EF66形電気機関車16両に車上装置が搭載されて、ATS-S形と併用して運用が開始された。このATSは、改良型ATS-PまたはATS-P’とも呼ばれた。
ATS-PとH-ATSとを比較した結果、H-ATSが採用されることとなり、ATS-Pは実用化されないまま廃止となった。その後、H-ATSをATS-Pと改称した。改称後に初めて設置されたのは、1988年末に京葉線の1型ATS-Pである。

生産技術

地上ー車上間をトランスポンダで多量の情報伝送を可能にした。
車上の受信器と制御装置の間は、9600bpsのシリアル伝送とし、制御装置にはマイコンを使用しながら、フェイルセーフ化を実現させている。

時代背景

1984年10月19日に山陽本線西明石駅において、寝台特急列車が制限速度超過で分岐器に進入し、脱線。(「西明石列車脱線事故」)