1959

エコノミカル台車 (軸ばね無し台車)

京阪電鉄向け 試作KS-57形台車

記事番号D230

空気ばねを枕ばねとして使用し、軸ばねを省略することができれば、軸箱の支持が非常に簡単な構造になるため、価格も重量も大幅に引き下げられる。この考えを実現させた台車が、汽車会社製KS-57形台車である。前後の軸箱を軸箱梁で直接結合し、その結合部にはわずかばかりの動きが取れる程度のゴムリングを挿入する。左右の軸箱梁は、剛体で結合せずに、凹状の鋼板を左右に渡した構造として台車枠全体のねじりを許容するようにして試作され、走行試験された。翌年から量産車として納入された。エコノミカル台車は、京阪、阪急および南海の軌道線に採用された。(鉄道車両と技術 N0.124 2006、鉄道ジャーナル 1975.8)

生産技術

このエコノミカル台車は、70〜80km/hではほとんど問題ないが、100km/h以上ではビビリ振動がかなり感じられたことから、軸箱の周りのゴムリングの厚さを25mmから最終的には65mmまで厚くすることとなった。
この軸ばね無し台車は、日立や近車などでも試作されたが、その後あまり発展していない。

記事

主電動機の支持:
エコノミカル台車の場合、主電動機は、コイルバネで支えた主電動機枠に載せ、軸箱梁から伝わる大きな衝撃を緩和する構造としている。(鉄道ジャーナル 1975.10)