1956年6月軸ばねとして空気ばねを装着したKS-50形台車が完成した(汽車製造製)が、試験の結果軸ばねよりもまくらばねに空気ばねを使用した方が効果が大きいことがわかってきた。具体には、振動の元帥特性が優れているほか、レべリングバルブによる満・空車時の積空差の自動吸収が可能となる効果などが認識された。
1957年まくらばねに3段ベローズタイプの空気ばね式KS-51形台車が完成、納入された。量産タイプとして始めての空気ばね台車であり、以降鉄道車両の空気ばねといえば、まくらばねを指すこととなった。(鉄道車両と技術 N0.124 2006)
空気ばねに横方向の作用を持たせる研究が始まり、路面電車としては、1957年の南海電鉄向けKS-53形台車(汽車会社製)や、同年に名古屋市電向けKL-10形台車(日立製)の走行試験が行われた。高速電車用としては、1957年に東急車輛TS-308形台車、1958年には名鉄でKS-54形台車、阪神電鉄でKS-55形台車のそれぞれ走行試験が行われた。
生産技術
1957年南海電鉄軌道線用の汽車会社製KS-53形台車は、まくらばねの左右剛性として揺れまくらつりを利用しないで空気ばねの横剛性だけで持たせる構造を採用している。
さらに、1958年に住友、日車、汽車会社の台車で名鉄の新型特急電車の開発が行われたが、汽車会社のKS-54形台車や阪神電鉄の5001形ジェットカー向けの試験用台車KS-55形台車で空気ばねで直接車体を支えるダイレクトマウント構造が試みられている。このダイレクトマウント方式はその後の私鉄台車の主流となるものである。(鉄道車両と技術 N0.124 2006)
記事
私鉄台車がダイレクトマウント方式の台車が主流になるのに対し、国鉄では検修業務の問題もあり、後のボルスタレス台車の採用までインダイレクトマウント方式の台車が主流のまま続いた。(鉄道車両と技術 N0.124 2006)