1954

直角カルダン式台車の本格採用、インダイレクトマウント台車方式の原型

東急5000系用 TS-301台車

記事番号D180

モノコック軽量車体で有名な東急5000系に台車枠も軽量設計のTS-301型台車が採用された。その駆動方式が、東芝製直角カルダン方式である。
台車枠は、プレス材6mmの高抗張力鋼板で構成した溶接構造としている。
この台車は、揺れまくらつりと下揺れまくらを廃し、コイルばねを直接側ばりの上におき、さらにオイルダンパーを併用して枕ばねとした、はじめての構造である。これは、コイルばねの横剛性を、まくらばねの左右剛性として利用している構造である。(鉄道車両と技術 N0.122 2006)

生産技術

側枠と枕梁との間の前後力をボルスタアンカで伝達するインダイレクトマウント方式の台車であり、これは日本における原型といえる。
その他、本台車で採用された各種の要素技術は、その後の日本のメーカー各社による台車の開発に大きな影響を与えたといわれている。(WEB)

時代背景

JREA(日本鉄道技術協会)のばね下重量研究委員会で、運輸省の補助金を得てカルダン駆動の開発をし、1953年に東芝、三菱電機・住金(直角カルダン)、東洋電機・汽車会社(中空軸平行カルダン)、日立製クイル台車、国鉄釣りかけ台車(DT17)の5種類が国鉄線と小田急線で走行試験、開発を推進した。