JR東海383系で初めて渦巻き空気圧縮機が採用され、その後、1997年に700系新幹線に採用された。(車両技術205号((社)日本鉄道車輌工業会))
記事
往復動圧縮機は、1工程中の吸込み・吐出しが間歇的であるので、振動・騒音の基となり、回転系の釣合だけでは解決に困難さがあった。このため以前から回転型の圧縮機が開発されていた。
回転型は、効率確保・小型化のために回転速度を上げる必要があり、振動への影響は少なくても、冷却を含めた回転・風切音に更なる対策が必要であった。
このため回転速度をあまり上げなくても旋回運動で圧縮できる車両用スクロール圧縮機が開発された。これを渦巻き圧縮機と名づけて実用化された。
実際に使用されてきている回転型圧縮機(多翼型、スクリュー型、渦巻型(スクロール型))は、その冷却と圧縮室のシール及び摺動部潤滑のために油を圧縮室に圧送して行っていて、往復型より低温の圧縮空気を得ることができる。この油冷却方式はいずれの型でも基本的に同じである。このためいずれも、圧縮空気を取り出す過程で油分離を必要としている。油の使い方としては過酷であるので、油の管理は必要である。