1974

アルミ板材による接着管座製作方法を確立

管取付座の革新

記事番号C410

従来の鋳物管座製作にあたっては、複雑な中子(空気通路)や鋳造工数が多い上に気圧不良(鋳巣)や内部通路の砂落とし等に問題が多かったため、アルミ圧延板材によるNC機で溝加工して製作するよる接着管座製作方法を確立
(ナブコ70年史、特許番号755093流体を分配する管取付座昭和49年4月2日公告)

記事

1963年に登場した103系通勤電車のC4、C5ブレーキ制御装置では弁類を管座の正面と裏面のみに取り付け、上下面、左右面は極力小さくして少し厚めの板のような板管座を製作するようになり、管座内部には箱管座と同様な内部通路、容積が設けられたが、幅が薄いので割れにつながることがあり、箱管座より更に難しい管座であった。弁の数が多くなると管座自体を大きくする必要があり、複雑な通路を確保しながら製作することが限界になってきていた。
新幹線0系や新しい機関車(DE10、11など)では弁の数が多いために鉄鋳物管座の代わりに通路を銅管のロー付けでつなぐ方式を採用するようになった。
銅管ロー付け構造の管座は複雑な通路構成も可能ではあるが、ロー付けの加熱が行えるように設計することや製作に多大の工数を要し、問題があった。
これら管座に係る問題点を解決する製造法として、通路を一筆書きに構成して溝を作り、溝の上を板で覆って通路とするウェスチングハウスエアブレーキ社の小さな管座をヒントにして開発が行われ特許も取得された。はじめは鉄鋳物で次いで1968年当時は、アルミ鋳物で溝を作ったが、3次元NC機の普及に伴い、アルミの圧延材に溝加工して薄板をエポキシ系熱硬化型接着剤で貼り合せる方法が確立されていった。これを「アルミ接着管座」或は「アルミ貼り合せ管座」と呼んだ。
アルミ接着管座の採用により、空気弁類は集約されて車両の車側面から保守できるので接近性(accesibility)が良く、床下のぎ装スペースが広く取れ弁類間のぎ装配管も少なくなった。また、凍結防止のために弁類毎に電気ジャケットを装備していたが、接着管座に覆いを取り付けて装置内にヒータを取り付けることにより、効果的な凍結対策となった。"

  • 接着管座用管座
    写真提供 ナブテスコ(株)

  • 接着管座用貼板
    写真提供 ナブテスコ(株)

  • 接着管座組立(接着後)
    写真提供 ナブテスコ(株)