1964

0系新幹線用ブレーキ装置として発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキが営業運転車両として採用

0系新幹線

記事番号C320

0系新幹線用ブレーキ装置としてSEA形発電ブレーキ併用電磁直通フブレーキ装置(SEA形:Straight air brake 、Electromagnetic 、 ATC)が採用された。ブレーキ制御装置は、車体側面から各弁類が取り外せるように一面管座に取り付け、各々の通路は銅管配管で繋ぐ構造とした。

時代背景

・東京オリンピック開催
・0系新幹線試験車完成

記事

本ブレーキ装置は、国鉄90形以降の在来線電車に使用されている発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(SELD)を基本的に踏襲し、新幹線のブレーキとして次の特徴を有する。
・ATCに連動して指令空気圧を発生する電磁弁等を電磁直通制御装置に設けた。
・車輪滑走を防止して確実にブレーキ力を確保するために速度-粘着特性に沿ったブレーキ力の階段制御を行なった。
・粘着特性向上のために国鉄で初めて車輪踏面清掃装置を採用した。
・国鉄で初めて滑走防止装置を採用した。
・全車電動車で油圧方式の車輪ディスクブレーキを採用した。
・電磁直通ブレーキのバックアップブレーキとして全車に電気指令の常時加圧式往復線の緊急ブレーキを設けた。
・電動空気圧縮装置の電動機として単相誘導電動機が採用された。
・日常点検及び保守の容易化を図るために各社のブレーキ制御装置は空気タンク類も含めてユニット化した。

  • 国鉄0系新幹線電車
    写真提供 (株)日立製作所

  • 0系新幹線C39ブレーキ制御装置
    出所 (株)ナブコ 70年史