京阪電気鉄道2000系(通勤電車)に回生ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ装置(HSC-R::High Speed Control brake with Regenerative brake)が営業運転で初めて採用された。
これまで電気ブレーキで発生した電力を車両に搭載した抵抗器に流して熱に変換していた。しかし、省エネルギーの観点からその電力を架線に返す回生ブレーキが開発された。(鉄道車両と技術No.142(08-3)p39)
時代背景
鉄道車両においても省エネルギーの機運が高まった。
記事
電気ブレーキで発生した電力を架線に返すが全てを消費する車両があれば問題ないが、一部しか消費されない場合は電気ブレーキを絞る必要がある。この場合、電動車におけるブレーキ力が低下するため、低下した分だけ空気ブレーキで補足する必要がある。これを電空協調制御と言う。回生ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ装置は、電気ブレーキが立ち上がった場合、電動車の主制御装置からの指令により、切換電磁弁が空制補足用の込め・ユルメ作用弛め電磁弁側に切り換わる。主制御装置においては、設定減速度から必要なブレーキ力を計算して実際作用している電気ブレーキ力を差し引いた空気ブレーキ圧力を空制補足用の作用弛め電磁弁で発生させてその圧力をアクチュエータで電気変換して主制御装置に返して規定の圧力に設定する。電気ブレーキが規定値以下になると切換電磁弁が切り換わり、純空気ブレーキとなる。