1957

国鉄の通勤電車に発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ装置(HSC-D)が営業運転車両として初めて採用

国鉄モハ90形通勤電車

記事番号C260

発電抵抗ブレーキを併用した電磁直通空気ブレーキ装置(SELD:Straight air brake 、Electromagnetic 、variable Load valve、Dynamic[国鉄呼称]でシステム的にはHSC-Dと同じ])が中央線の国鉄通勤電車モハ90(1959年に称号改正で国電101系)に採用された。このシステムが、これ以降、国鉄及び私鉄の新型電車用の基本型となり、後の東海道新幹線電車へと引き継がれていった。(日本国有鉄道百年史、三原製作所20年史)

時代背景

・国鉄の車両増備第1次5ヶ年計画
・国鉄中央線に通勤電車モハ90製造される。

記事

前述の小田急電鉄の2200形に開発したHSCーDに乗客の多寡に応じたブレーキ力を変える応荷重弁を備えた他に、弁類は摺り合せが必要なピストンリング、滑弁方式が少し残るものの極力ゴム膜板・ゴム弁化された。
なお、非常ブレーキ用としてブレーキ管による自動ブレーキを採用し、常用ブレーキ系が故障しても通常運転出来るように常用自動ブレーキも作用するようになっていた。
一方、私鉄においてはその後、常用直通ブレーキ系の信頼性も上がったことより、非常ブレーキ系は、ブレーキ管とR-5切換弁やM非常弁等の組み合わせにより、非常ブレーキ専用となった。(非常弁方式と呼んだ)

  • 国鉄モハ90系
    写真提供 近畿車輛(株)

  • 発電抵抗ブレーキ併用電磁直通ブレーキ装置ツナギ図(SELD形、HSC-D形)
    出所 (社)日本鉄道車輌工業会