鉄道省電車では初の電動カム軸式制御器を3社(=東洋電機、日立、川重)が独自の方式で競作。設計から試作が、戦後の食糧難と材料不足、更には労働争議の頻発する中で行なわれたため、ほぼ2年の工程で製作され持ち込みが行なわれた。CS100〜103を試作。(東洋電機技報109号 2003-11)。モハ63での現車試験が1948年8月、東海道線茅ヶ崎〜辻堂間の上り貨物線で行なわれた。これをもとに、1951年春完成の新形車モハ70系用および1951年以降のモハ80系用にCS-10として制式採用。(鉄道ピクトリアル2009.10Vol.59No.10)
生産技術
1945年の設計会議の主催:運輸省鉄道総局、資材局動力課。メーカ側は、川重、東洋、東芝、日立、三菱電機の5社。
省線電車用制御器のモデルチェンジを戦後の復興に併せて5社で競って設計を行なったが、東芝と三菱電機の2社は試作を敬遠したと伝えられる。
CS100A 東洋電機、CS101およびCS102 日立、CS103 川重によって3社4機種の省電初の電動カム軸式制御器が独自の方式で競作された。
制御器 主要目:
主回路電圧DC1500V、主電動機容量140KW(MT40)×4、段数:直列6段・並列5段・並列弱界磁1段、渡りは短絡方式、一方向回転、カム軸配列:カム軸に対し上下2段、断流器別箱
時代背景
敗戦後の復興の第一歩が、輸送の回復であった。運輸省の主導の元に、1945年11月「CS5を主機とする電車用制御装置の性能及び生産性の改善」のための設計会議開催。於、東洋電機寮(鎌倉)