1999

量産車で初のFSW溶接適 用車両、さらに、FSW溶接に よるアルミダブルスキン構体車両

東京都交通局 12-000系、JR九州 815系、885系 西武20000系 2004年 営団05系40〜43編成

記事番号A290

1999年(平成11年)4月営業開始の東京都交通局納め大江戸線12-000系リニア地下鉄電車の4次車より、戸袋部及び腰板部の形材の接合にFSWが適用された(FSWによる製作は1998年)。(日軽金・日立)
さらに1999年10月1日JR九州豊肥本線電化開業および鹿児島本線等のワンマン運転開始対応に開発された815系電車は、摩擦攪拌溶接(FSW)方式による軽量のアルミダブルスキン構造車体でデビューした。(NMCニュース2004年12月号、Wikipedia)

生産技術

このFSW技術は、1995年にイギリスよりライセンス供与を受け、鉄道車両用に日立が開発したもので、815系で大型のFSW(25m長の構体を製作可能)方式を軽量のアルミ押出形材であるダブルスキンに本格的に適用したもの。

記事

<ダブルスキン、その他関連技術の説明>

■ダブルスキン構造
日本軽金属では国内最大の幅の60cm、長さ25mの中空押出形材を生産しています。この押出形材断面は2枚の板の間に斜めのリブが入っており、この材を用いて鉄道車両の車体を組み立てると外側と内側に2枚の皮をもつ構造となります。これを「ダブルスキン構造」といい、ヨーロッパなどのアルミ車両の多くはこの構造となっています。
一方、シングルスキンとは中空部がない形状の形材で、車体の外皮を構成し、同じく垂木や窓柱に骨材を配して構成する方法です。ダブルスキンはこの骨材がほとんど必要ないので、客室内にゆとりと開放感を与えます。

制震・吸音大型押出材「ダナック」
■特長
1. 遮音特性に優れている。
2. 制振材(ダナック)を一体化することで、客室騒音をきわめて低く抑えられる。
3. 剛性が強く車体のたわみがすくない。
4. 柱が不要となるため、広い客室を実現できる。また、組立工数も削減できる。

その他関連技術の説明:
FSW(摩擦攪拌溶接)http://www2.nikkeikin.co.jp/tetsudo/index.nsf/2-2fsw?OpenPage
押出型材 http://www2.nikkeikin.co.jp/tetsudo/index.nsf/3-1katazai?OpenFrameSet

(日本軽金属株式会社HP よりhttp://www.nikkeikin.co.jp/pages/products/products_p3/3d_16.html)

  • JR九州 815系
    出所 「車両技術」(鉄車工)

  • JR九州 855系
    出所 「車両技術」(鉄車工)

  • 西武鉄道 20000系
    出所 「車両技術」(鉄車工)