JR東海の東京−新大阪間2時間半の実現を目指した営業最高速度270km/hを可能とする「300系のぞみ」の開発が計画された。
1989年先行試作編成が完成したが、速度向上の為により厳しい軽量化の要請があり、構体についても軽量化とコスト低減の両立のためにはハイブリッド構造ではもはや対応できなくなり、全シングルスキン構造で、シングルスキン構造の薄肉形材に補剛の為にT字形のリブ形状をした縦通材を一体で押出形成することとしたもの。
また、24.5mに渡る一体物として接合線を車両の長手方向に単純化するなどの工夫をしたうえで、接合溶接を車両の内側から自動溶接可能なワンサイド工法としコスト低減を図れる構造とした。これは、6N01合金の特性を最大限活かした構造であり欧州でも行われていないわが国独自のニーズに基づく発想といえる。(「金属」Vol.70(2000),No.2 p58)