1973

在来特急電車(営業車)で初めてのアルミ車体

国鉄 381系

記事番号A235

急曲線を高速で通過するための振子式特急電車として必要な軽量、低重心の車体構造とするためアルミ車体構造とした381系特急電車が開発された。試験車としては、1970年に591系という試作車があり既にアルミ車体の振子車として走行しているが、在来特急の営業車としては381系が初めてとなる。低重心化のため空調装置を床下に設置し、台枠の一部を風洞化するなどの工夫が施されている。振子方式は、コロ式の自然振子方式で、制御付き自然振子式以前の方式である。

生産技術

<国鉄特急電車(営業車)初 アルミ車体 製造>
構体は、強度部材である台枠を含めて全て軽合金製で溶接構造となっており、軽量、耐食性に優れ、表面が美しく、加工性、押出し製がよいなどの特徴が生かされている。比重は鋼の1/3でありながら、A7NO1(三元合金)を使用するなどにより、軽量化が達成されている。(381系特急形直流電車 説明書(車両設計事務所)より引用)

  • アルミ合金製381形振子電車構体構造
    出所 「アルミニウム車両委員会報告書」

  • 車体構体のうつり変わり
    出所 「アルミニウム車両委員会報告書」

  • 381編成
    出所 「100年の国鉄車両」(株式会社交友社)

  • クハ381:屋根上に空調無し
    出所 「100年の国鉄車両」(株式会社交友社)

  • クモハ591試作在来線高速電車
    出所 「100年の国鉄車両」(株式会社交友社)

  • 実験:振子装置で車体を6°傾斜
    出所 「100年の国鉄車両」(株式会社交友社)